高陵金寿堂

 高岡鋳物は慶長十六年(1611年)に加賀藩二代藩主・前田利長が高岡城を築城の折りに、七人の鋳物師を招いたことから始まりました。

 金寿堂・金森佐兵衛もその流れをくむ家系です。江戸時代には、主に鍋・釜などを製作していましたが、明治時代に入り、「金寿堂」の名前で銅器や鉄瓶の製作をするようになり、その品質の良さから、高岡銅器業界の中に於いて格別の名声を博することになりました。
 然るに、昭和初期の時代の変化の中で銅器の製作がままならなくなったことから、その歴史を閉じることになりました。

 その後、六十年を経て平成の時代となり、本物志向で質の高い銅器や銀器、鉄瓶の需要が出てくる中、今はない「金寿堂」に思いを馳せて、その名前を復元し、銅器・銀器・鉄瓶を製作することと致しました。

 名前の「高陵」とは高岡の別名で、高岡に於いて高品質の金属製品の作り手として「高陵金寿堂」を名乗らせて頂いております。何卒末永くご愛顧・ご用命下さいますようお願い申し上げます。